原子B

■この章の内容■
1:放射線ってどんなもの
2:放射線の種類
3:自然放射線って何?
4:放射線と放射性物質

5:半減期って何のこと?
6:放射線の強さをあらわす単位は?
7:外部被ばくと内部被ばく
8:放射線の量と障害の関係


9:急性障害
10:晩発障害
11:放射線と細胞・DNA

原子とは?@、 A、 B
 

   原子ってどんなもの?(3)


■同位体と放射線
 中性子の数は、原子によっていろいろあります。たとえば、ふつうの水素の原子核には中性子はありませんが、中には中性子を1つ、あるいは2つもっているものもあります。それぞれ、重水素じゅうすいそ・三重水素さんじゅうすいそといいます。
 このように、原子番号が同じでも中性子の数がちがうものを同位体どういたい(アイソトープ)といいます。

 同位体の中には、不安定なものがあり、自然にこわれていくものがあります。こわれるときに、とびだしていく原子の一部が放射線ほうしゃせんになります。

■核分裂
 ウラニウムなどの大きな原子核に中性子をぶつけると、原子核がこわれることがあります。このことを核分裂かくぶんれつといいます。

原子が核分裂するときに、放射線といっしょに、とてもおおきなエネルギーが出ます。
 これを利用したのが原子爆弾げんしばくだん原子力発電げんしりょくはつでんです。


 この核分裂のときにとび出した中性子が、ほかのウラニウムの原子核にぶつかると、その原子核も核分裂します。これがつぎつぎにくりかえされて、ぜんたいとしては大きなエネルギーが出てきます。このことを「連鎖反応」れんさはんのうといいます。



 原子爆弾は、この連鎖反応を一しゅんのうちにおこして、おおきなエネルギーでものをこわしたり、人をころしたりするために使います。

 原子力発電は、この連鎖反応をちょっとずつおこして、エネルギーをコントロールしながらとり出すのですが、事故がおきてコントロールに失敗すると、原子爆弾と同じになってしまうかもしれません。



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