放射線E

■この章の内容■
1:放射線ってどんなもの
2:放射線の種類
3:自然放射線って何?
4:放射線と放射性物質

5:半減期って何のこと?
6:放射線の強さをあらわす単位は?
7:外部被ばくと内部被ばく
8:放射線の量と障害の関係


9:急性障害
10:晩発障害
11:放射線と細胞・DNA

原子とは?@、 A、 B
 

   放射線の強さをあらわす単位は?


キューリー(Ci)キューリー夫妻がはじめて純粋なかたちで取りだしたラジウムは不安定な原子で、自然にこわれてほかの原子に変わってゆきます(これを崩壊ほうかいといいます。)

 ラジウムはこわれるときに図に示すように放射線を出します。放射線を出す能力がある物質をキューリー夫妻は放射能と名付けました。(放射能は最近では放射性物質と呼ばれることのほうが多くなっています。)

 放射性物質の単位は発見者であるキューリー夫妻にちなんでキューリーと名づけられました。


 1キューリーというのはラジウム1gが出す放射能量のことです。
 1キューリーは370億ベクレルになります。


ベクレル(Bq): 放射性物質は一回こわれるたびにアルファ線かベーター線が原子核から一個飛び出し、同時にガンマ線もでます。
 1秒間に1回こわれる放射性物質の量を1ベクレル(1Bq)といいます。
 放射性物質によってとびだしてくる放射線の種類がちがいます。例えばプルトニウムはこわれるときにアルファ線を出し、セシウムはベーター線を出します。

グレイ(Gy):放射性物質や放射線を発生させる装置から飛び出す 放射線のエネルギーが生き物の身体にどれだけ吸収されたかをあらわす単位です。生き物の身体1キログラム当たりが吸収したエネルギーの全体量を1グレイ(1Gy )といいます。
 エネルギーを吸収するということは、体の中で放射線が何かにぶつかって速さが遅くなるか、止まるかして変化することです。吸収したエネルギーが大きければ細胞が受ける傷の程度も大きくなります。

シーベルト(Sv):同じ量の放射線が身体に当たっても放射線の種類によってあたえる影響はちがいます。その影響の大きさを考えに入れた放射線の単位をシーベルト(Sv)といいます。
 例えば同じ重さの生き物が1グレイのエックス線かまたはアルファ線をあびたとすると、アルファ線の方が20倍も害をあたえるので、アルファ線1Gyは20Svにあたります。

 しかし、アルファ線はプラスの電気をおびているため、長い距離は飛べません。したがって、身体の外にある場合にはそれほど心配しなくても良いのですが、食べ物や水や空気といっしょにいったん身体の中に入ってしまうと、傷をつける作用は大きくなりますから危険です(このように放射線を身体の中から浴びることを内部被ばくといいます。)
 エックス線やガンマ線の1グレイは1シーベルトです。

参考 ■原子ってどんなもの?




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