p.12-2  原子炉建屋が損壊しました。 ↑前のページへもどる

 以前の放射線副読本には載っていた事故を起こした福島原発の写真が、この度の副読本には掲載されていません。二度とこうした事故を起こさないために、福島の方々にはつらい記憶かもしれませんが、事故の記憶を風化させない取り組みが必要ではないでしょうか。
 2018年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及びそれに伴う津波により安全対策が不十分であった東京電力の福島第一原子力発電所の1号機から3号機では原子炉を冷やす機能が失われ、高温になった核燃料棒が溶けてしまいました(メルトダウン)。それによって発生した水素によって1号機、3号機と当時定期点検中で稼働していなかった4号機も水素爆発を起こしました。
 2号機は写真に蒸気が見えるように建屋の窓が1号機の爆破の時に壊れたためそこから水素が屋外に漏れ出て爆発をまぬがれました。その換わり,建屋の中の放射性物質による汚染は最も深刻です。
 これらの写真をあえて掲載したのは、事故から時間が経つに従って当時の記憶が薄れてしまうためです。原発がどのように崩壊したか、二度とこのような核惨事を起こさないためにも当時の深刻な状況を記憶しておく必要がありますし、事故の時にはまだ生まれていなかったり、乳幼児であったりしたみなさんにはこれを知っていただきたいと思うためでもあります。

メルトダウンし水素爆発を起こした3号機
建屋の壁は厚さ1mのコンクリート
水素爆発を起こした4号機
燃料冷却プールに水を入れている。
       
事故を起こした福島第一原子力発電所1号機の原子炉はアメリカのジェネラルエレクトリック(GE)社が制作したマークI型で日本に導入する前から欠陥原子炉と言われていたものでした。
建設中の福島第一原子力発電所1号機→



原子炉から溶け出し環境中に放出されたセシウム137,放射性ヨウ素などをはじめとする色々な種類の放射性物質はその時の風にのって流れ、雨や雪について落下し、東日本一帯を汚染しました。        
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