p.1-A A:放射線は、私たちの身の回りに日常的に・・・・・・ ↑前のページへもどる

 なぜこの段落が最初に来ているのでしょうか?
 この時期に『放射線副読本』を出すのならば、このページの3番目の段落、『平成23年3月11日に発生した・・・・』というような内容が冒頭に来るべきではないでしょうか。
 今、こどもたちに必要なことは、事故由来の人工放射線からどうやって身を守るかという知識のはずです。自然放射線が日常的に存在していたり、検査や治療に放射線が役立つという知識ではないはずです。
 放射線によって故郷を追われ、苦しめられているこどもたちに、放射線は役に立つこともあると説くことの目的は、何なのでしょうか?
 この副読本の最初の版、すなわち2011年10月に発行された最初の放射線副読本以来、そもそもこの副読本は事故によってみんなから敬遠されてしまった放射線を、なんとか利用促進するために、放射線の有用性を強調することが主な目的のようでした。原発事故によってばらまかれてしまった放射線にどう対応するかということよりも大事なことは、放射線を利用したり、研究することで、原子力・核開発の火を消さないことだ、そんな文科省の姿勢がよくあらわれている書き出しです。

        
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