教師用p.8 放射線の性質 ↑前のページへもどる

 放射線の電離作用や励起作用・蛍光作用・透過作用を取り上げるのなら、その電離作用が生命に有害な影響をもたらすこと、すなわちDNAの遺伝情報を破壊する作用があることに触れるべきではないでしょうか。

■放射線が生物に与える影響
 放射線が持つエネルギーは、DNAを結合させている化学的エネルギーをはるかに上回りますから、簡単にDNAの鎖を寸断します。自己修復機能によって修復されるDNAもありますが、DNAの二本鎖切断が起こると、修復ミスが生じやすくなります。
 DNAが切断された細胞は、分裂・再生できず死滅してしまうことがありますが、修復ミス=変異を残したまま生き延びた細胞は、次の世代へその変異は受け継がれていくと考えられています。こうした変異がいくつも重なったり、DNAの特定部分が変異したりすると、細胞は将来ガン化していくと考えられています。
 こうしたDNAの変異は、すべて同じように起こるとは限りません。変異は確率的に生じますから、低線量の被ばくでも影響は確率的に生じることになります。  《確率的影響》

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