教師用p.10 ■ 放射能と半減期 ↑前のページへもどる

  ここで記述されている「生物学的半減期」に関しては、誤解が生じやすい。福島原発事故後の現在では、環境中にセシウム1 3 7 ( 一定期間内ではヨウ素1 3 1 ) などの放射性物質が大量に存在し、それら放射性物質は環境中に生活する人体に連続的に内部被ばくを引き起こしています。従って、実験室的にたった一度だけ放射性物質の内部被爆にさらされた場合であれば、記述された「生物学的半減期」で人体に取り込まれた放射性物質の放射線量は半減することになりますが、連続的に内部被ばくしている状況では、むしろ放射線量は蓄積していくことになります。そうした指摘は不可欠です。


 このグラフは文科省も信奉しているICRP:国際放射線防護委員会が、福島原発事故が起こった2011年4月に、特に日本の放射能汚染に向けて発表したデータです。
 実効半減期を考慮したとしても、毎日10ベクレルずつ飲食などを通じて摂取していると、400日ほどで1400ベクレルまで蓄積していくことが示されています。そして、今、東日本では、それくらいの摂取はごく当たり前になっています。

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