生徒用p.12 外部被ばくと内部被ばく ↑前のページへもどる

 この記述は、放射線と放射性物質についてなど、混同・混乱が見られ ます。

@:「放射線は、体を通り抜けるため」という部分に関しては、γ線や中 性子線ならば該当します。しかし、ただ通りぬけるだけではなく、途中で 電離作用により細胞のDNAを傷つけることがあります。α線やβ線は、 人間の体に当たると、ほとんど通り抜けることは出来ません。人間の体 の細胞に衝突して、それを破壊するなどして、そこで停まります。

A:「汚染してしまった場合は、シャワーを浴びたり洗濯をしたりすれば 洗い流すことが出来ます。」というのは、放射線ではなく、放射性物質の ことです。両者は異なるものですがら正確に区別して記述することが必 要です。  放射線による被ばくをし、DNAが損傷を受けときにどうなるか、 こちらをご覧ください。

B:外部被ばくに比べて、内部被ばくの方が、放射線被ばくによる身体 への危険性が高いことを記述して、だからこそ、内部被ばくを防ぐ工夫 が必要だというように、記述を立体的にするべきではないでしょうか。単 に内部被ばくはこれこれである、というような定義的な記述に終わらせ るのではなく、放射線の影響が問題になっている今日では、出来る限り 放射線による被害をなくすにはどうするべきかという観点が必要だと思 います。

C:この読本の記述は、従来原子力開発を推進するためという位置づ けの中で制作されてきた副教材の姿勢から、十分な転換がなされたと は思われません。未だに、放射線が日常的に身の回りにあることを強 調し、放射線の影響を過小評価するような論調が目立ちます。

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